円覚寺や建長寺と古刹の多い北鎌倉。細長いホームに降り立ち、西口から鎌倉街道を鎌倉方面に向かう。鉢の木の3つ手前の路地をJR横須賀線の線路側に入ると線路際に木々に囲まれた古民家が見えてくる。
草木の間に埋まるように設置されたショウケースに収まる本とガラスに書かれた「喫茶ミンカ」の店名にグッと惹き込まれる。下見板張りの外観や玄関ポーチは一見洋風の古民家にも見える。季節の草花が繁茂する庭先を抜け、デッキに設けられたガラス戸から店内に入ると、随所に店主の拘りが詰まった空間となっていた。昭和初期の古民家を数年かけて改装したそうで、間仕切り壁を外し一室としながらも、柱や梁の骨組み、床の高低差を活かし、ソファー席やカウンター席、物販の展示販売コーナーも設けられている。随所に展示された古道具や古本と古民家の風情が相まって、素敵な空間を創っている。
入口脇、壁際のカウンター席に着き、「小さくて濃厚なチーズケーキ」とジャスミン茶を注文した。他にもカレーやナポリタン、フレンチトースト、珈琲、オーガニックのチャイなど喫茶店らしいメニューも充実している。チーズケーキはその名の通り小さいが、すっと整った白い外観から香る爽やかな香り、口の中でゆっくりと溶けていく濃厚な味わいが絶品であった。
同店は平日でも混雑することの多い人気店と聞いていたが、「喫茶ミンカ」の独特の世界観に惹きつけられるファンが多いのも頷ける。北鎌倉に立ち寄った際には是非足を延ばしてみてはいかがだろうか。
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