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[レポート]ふじさわアートフェスティバル2023 <アートの庭>【THE HERITAGE TIMES YOKOHAMA KANAGAWA】

更新日:2023年5月10日



令和5(2023)年5月4日(水)から7日(日)まで旧モーガン邸(藤沢市大鋸)で開催された「ふじさわアートフェスティバル2023 <アートの庭>」(主催:ふじさわアートフェスティバル実行委員会)の様子をレポートする。 「ふじさわアートフェスティバル」は、旧モーガン邸の緑溢れる庭園を使った野外アート展で、絵画・彫刻・染織・陶芸・写真など、様々なジャンルのアートが展示するイベント。平成28(2016)年に第1回が開催され、コロナ禍で中断を挟み今回が5回目の開催となる。



会場である「旧モーガン邸」は、横浜山手西洋館「ベーリック・ホール」などを設計したJ.H.モーガンが昭和6(1931)年に建てた自邸。スパニッシュスタイルの要素を取り入れた外観に和洋折衷の室内を持つこの家は、建築家の自邸としてだけでなく、湘南地域に分布する昭和初期の別荘や邸宅の中にあって住宅史的にも文化史的にも価値のある建物である。 モーガン亡き後何人かの手に渡ったが最後の所有者が負債を抱えたため、整理回収機構の管理下で債権処理の対象になり解体の危機に瀕していた。平成11(1999)年には「旧モーガン邸を守る会」が結成され保存を求める活動を始めるなど、市民運動の成果もあり、競売入札が迫っていた平成17(2005)年8月に藤沢市と(公財)日本ナショナルトラストが土地建物を取得し一般公開に向けた取組が進められていた矢先の平成19(2007)と平成20(2008)年の不審火により玄関や暖炉、床、地下室を除き、建物の大部分を焼失した。建物の消失を受け、平成21(2009)年には(公財)日本ナショナルトラストが事業からの撤退の方針を表明し、計画は頓挫するが、令和3(2021)年、(公社)横浜歴史資産調査会が事業を引継ぎ、「(特非)旧モーガン邸を守る会」や藤沢市とともに再建に向けた活動をスタートさせている。



正門から入ると左右の木立の中に、さらに進みアイアンワークが特徴的な中門を抜けた正面の築山にも作品が展示されている。築山の左側の旧モーガン邸前が受付(運営本部)となっており、記名しリーフレットを受け取る。 リーフレットを片手に会場を回ったが、通常の一般公開日とは違った層の来場者が多く参加しており、大いに賑わっていた。


また、会場である旧モーガン邸の遺構や記録の紹介、さらに募金活動への協力の呼びかけも行なっており、再建への機運醸成につながっていたのではないだろうか。緑豊かな歴史的建造物の邸園で行われるのアートイベントの継続に今後も期待したい。


<参加作品の一部を写真で紹介する>


▲「森、みなぎる」小田佑二・SUI THE TOKYO(招待作家)

▲「こいのぼり大作戦」アトリエギュー

▲「波,うさぎ,かもめ」奈良圭(うさぎ堂)

▲「イツモ / つながる」kuico

▲「ごちゃまぜ都市」尾関良雄

▲「大海原界」三本木海人(駅前かぐや)

▲「sleeping baby」ありさ(駅前かぐや)

▲「焼き芋モンスター」あやの(駅前かぐや)

▲ワークショップ「電動ろくろ体験」飯田浩丈

▲「祀り」山田裕子

▲武井隼人

▲「初夏」宮地淳子

▲「耳をすませば」ちとせの会

▲「幻想の実」岸川研一(Kissea)

▲「大笑い帝国」かしわようこ


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