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heritagetimes

[歴飯_168]テラコーヒー妙蓮寺店

更新日:7月3日



妙蓮寺駅から旧綱島街道を菊名駅方面に向かい、菊名橋の交差点を過ぎたところの左手に白い四角い箱のような建物が見えてくる。そこが今回歴飯で訪れた「テラコーヒー妙蓮寺店」である。



澄ましてコーヒーを飲むカエルの絵が可愛い看板に釣られて店内に入ると、正面のカウンター越しに大きなロースターマシンが据えられていて、そこから運ばれてくるコーヒーの香りにいきなり包まれる。



建物の雰囲気にピッタリなカウンターの上には、世界中から厳選されたコーヒー豆がガラス瓶に入って並ぶ。カウンターの下にもケーキ屋さんのようなガラスケースにコーヒー豆が並んでいる。そこから選んでコーヒーを頼もうとしたが、種類が多く、少し迷っていると、スタッフから「どんなコーヒーがお好みですか?」と声がかかり、丁寧に好みにあったコーヒーをアドバイスしてくれた。今回はエチオピアコーヒーをオーダー。同行者は人気商品とあったモカソフトをオーダー。



ゆっくりとコーヒーがドリップされている間に店内を見渡す。旧綱島街道に面した窓のある壁際には天井まで届く棚が据え付けられており、オリジナルのコーヒーパックやマグカップの他、コーヒーを楽しむためのグッズが並んでおり、見ているだけでも楽しい。



 この建物は元々、昭和40年代に建設され、令和3(2021)年2月まで営業していた「横浜妙蓮寺郵便局」をリノベーションしたもの。令和3(2021)年12月に「毎日に特別な一杯を。」をコンセプトに大倉山と白楽に店舗を持つ人気コーヒー店「テラコーヒー」が出店した。天井は杉板の型枠跡も残るコンクリートの躯体現しとなっており、郵便局時代のものを引き継いでいると思われる洗い出し仕上げの床とあわせて、建設当時の面影を今に伝えている。



しばらくするとカウンターの前でドリップされていたコーヒーとモカソフトの用意が整い、手渡された。店前にちょこんと置かれたベンチも良かったが、店舗裏手の菊名駅公園まで運んで池を眺めながらコーヒーをいただいた。



しっかりとローストされたコーヒーの香りが、池の景色と相まって、幸せな時間となった。

菊名池公園は現在水道道を挟んで池のあるエリアとプールのエリアに分かれているが、元々は一つの大きな池であった。そこに水道管敷設と周囲の下水道整備のために一部を埋め立てて現在の公園の形になったという。



池に架かっていた「菊名橋」の親柱は公園内に移設されその歴史を今に伝えている。現在、テラコーヒーとして活用されている建物もその時に埋め立てられた土地に建てられている。

工業化が一気に進んだ京浜臨海部に水を運ぶための水道道と、宅地開発にともなう下水道や郵便の需要、それぞれが重なり合ってできた景色を眺め、この土地の歴史に思いを馳せながら「特別な一杯」のコーヒーを是非一度体験していただきたい。





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