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[歴飯_173]Coffee KOBAN



東横線反町駅から徒歩10分ほど北に向かった栗田谷の交差点に交番をリノベーションしたカフェがある。そこが今回、歴飯で訪れた「Coffee KOBAN」である。

栗田谷の交差点は反町から六角橋方面に向かう通りと栗田谷の丘の尾根道が斜めに交差しているが、この建物はその鋭角に切られた三角の土地に合わせて建てられており、ツタの絡まる白い鉄筋コンクリート造2階建の外観は、道路際に置かれた掲示板や赤色灯を模したサインとあわせて、街の交番の雰囲気そのままである。



木枠の引戸になっている正面の入口から店内に入ると左手が注文をするカウンター右手には二人ほどが掛けられるベンチが据えられている。

店主が先客の対応をしている間、ベンチに座って待ちながら店内を見渡す。

白を基調としながら木をふんだんに使った落ち着いた雰囲気。天井はスラブが現しになっている。カウンターにはレジの他、テイクアウト用のコーヒー豆やスイーツなどが並んでいる。



そうしているうちに、順番が来たのでカフェラテとチーズケーキを注文する。カフェラテのミルクは店主に勧められたオーツミルク変えてもらった。

レジ横には神奈川県警のマスコット(「ピーガルくん」と「リリポちゃん」)が飾られていた。



2階が客室となっているので、急な階段を登って席に向かう。客室は2面に大きいガラス窓がついていて明るい。天井が同じ現しとなっているところや、白を基調として木を多く使っているのは1階と同様。窓は元々和室だったからなのか、かなり低い位置から大きな開口となっている。



席は四人掛けテーブル席、2人掛けテーブル席と4人が並んで座れるカウンターがあり、その中からカウンターを選んで座った。

カウンターは無垢の厚い一枚板でできており、すべすべでとても触り心地が良い。



しばらくすると注文の品が運ばれて来た。

カフェラテはオーツミルクのほのかな甘味が広がり、やさしい味が口の中に広がる。

チーズケーキは糖質が抑えられており、酸味がきっちり効いていて、すっきりした後味が残り、カフェラテとの相性も良い。美味である。



網入りガラス越しに夏の日差しが穏やかに差し込む。ゆっくりとした時間が流れていて、ついつい長居をしてしまいそうになるが、贅沢なカフェタイムを終えて席を立つ。

会計の際に店主に聞いたところ、この建物は栗田谷交番として昭和52(1977)年に建てられたが、平成30(2018)年に交番廃止、競売により民間に払い下げられしばらく倉庫として使われていたところをオーナーと話しをして借りることができたとのこと。カウンターの一枚板のは、出身地の飛騨高山の友人から取り寄せたということも教えていただいた。



神奈川県警は神奈川県内にある470か所の交番を令和2(2020)年度から10年間で約70か所を廃止、約400か所とする統合計画を発表しているので、もしかすると今後もこのような事例が増えるかもしれない。

半世紀近く地域の安全を見守って来た交番で出会える店主の人柄が滲み出る優しい空間。是非、一度足を運んでいただきたい。



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