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heritagetimes

[歴飯_178]cafe&restaurant EGAO



JR鎌倉駅から若宮大路を由比ガ浜方面に向かう。海岸橋の交差点を左折し、和田塚方面に歩いていくと右手に立派な洋館が見えてくる。

今回の歴飯では、鎌倉市の景観重要建築物等に指定されている「篠田邸(旧村田邸)」の一画にオープンした「cafe&restaurant EGAO」を紹介する。篠田邸は、横浜興信銀行(現:横浜銀行)の重役であった村田氏の邸宅として、昭和5(1930)年に建てられたと推定される平屋の和館に、昭和8(1933)年に2階建ての洋館が増築された、後発的な「洋館付き住宅」と呼ばれる住宅タイプである。大正から戦前・戦後にかけて好まれた「洋館付き住宅」の中には、後に和館に洋間を増築した例が暫し確認できる。スタジオジブリの映画『コクリコ坂から』に登場した「コクリコ荘」のモデルとしても知られる横浜市磯子区にある「旧柳下邸」(横浜市指定有形文化財)も同様で、関東大震災後に2階建ての洋間が増築されている。



篠田邸の外観は、柱や梁の木製フレームを敢えて外壁の特徴とするハーフティンバー様式を採用しており、天然スレート葺きの屋根と合わせて遠くからも目を惹く。立派な門柱の間を抜け、敷地内に入ると、右手の平屋に同店への入り口がある。和館は昭和57(1982)年の火災で焼失するも、翌年創建当時の姿で復元された。同店は、復元された和館内の柱梁を残し、大規模改修したとのこと。床柱となる丸柱と池のある庭や樹木にかつての風情を残している。



庭を眺められる窓際の席に着き、バケットのフレンチトースト季節のフルーツ添えとアイスコーヒーを注文する。表面はカリッと内はふわっとしたフレンチトーストはバターが香る芳醇な味わいである。上の乗せられた焼リンゴやブルーベリーの酸味、アイスクリームやホイップクリームの甘味と合わせて食べると、贅沢な一時に浸ることができる。



他にも自家製ベーコンのステーキやランチメニューも気になったので、次回はランチでも利用してみたい。同店では、店内を利用したヨガのイベントも開催しているそうなので、歴史を感じる空間をじっくり味わってみるのも良いかもしれない。鎌倉散策の折りには、湘南地域の邸宅文化と非日常的な時間を過ごしてみてはいかがだろうか。



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