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heritagetimes

[歴飯_181]のの字Café



京急横須賀中央駅から三浦街道を上がった先にある横須賀市上町地区。軍港であった横須賀港の発展に合わせ、海軍士官が多く居住した地域である。坂上には、彼らの生活を支えたであろう商店街がある。沿道には、木造建築の外観を銅板やモルタル、タイル等で装飾した所謂「看板建築」が連なり、散策していると目を奪われる。「うわまち銀座」と呼ばれる商店街の歴史は古く、明治初期頃から自然発生的に商店ができ始め、昭和22(1947)年に商店街として発足したそうだ。



そんな歴史を持つ商店街の一画で寿司屋の建物をリノベーションしたカフェ「のの字Café」に出逢った。アーケードと鉄板で覆われた外観からは、一見して歴史のある建物だと気が付きにくいが、大谷石の腰壁と味のある建具に惹かれて店内に入ると、人造石砥出し仕上げの床に目を奪われる。店主によれば、建具と床は手を加えず、かつてのものを使用しているとのこと。真鍮で緩やかな曲線の見切を設け、赤と黒の2色を基調として模様をつくっている。店内はカウンター2席、テーブルが3席程度の小さな空間だが、木と白を基調とした空間にほっとする。店名はJR横須賀線田浦駅から国道16号線を越えて、月見台に上がる途中にある急坂「のの字坂」から取ったとのこと。



テーブル席に着き、焼き菓子と白茶のセットを注文する。同店では、カヌレ、海底二万哩フィナンシェ、シフォンケーキ(白船・黒船)、谷戸の擁壁ビスコッティ等々、海や街をテーマにした焼き菓子が並び、どれも気になるが今回は「海底二万哩フィナンシェ」にした。バターとの芳醇な香りにオレンジピールの爽やかな甘みが良いアクセントなっており、何個でも食べたくなる美味しさである。甘い香りと和らかな味わいの白茶とも良く合っていた。



「うわまち銀座商店街」には、【歴飯156_ヨネヤ】をはじめとした、蔵造りの店舗や看板建築をリノベーションした店舗が増えてきている。また、「日本基督教団 横須賀上町教会」や旧銭湯等目を惹く建物のたくさんあるので、散策していて楽しい。少し距離があるが汐入駅まで歩けるので、軍港ツアー等と合わせて巡ってみても良いかもしれない。



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