東京方面から車で東名高速厚木I.C伊勢原方面出口より3つ目の田谷信号を右折し、赤坂、小野原を経由し、七沢のY字路を右に進んでしばらくすると大きな「ZUND-BAR」と書かれた看板が見えてくる。看板の誘導に沿って奥へ車を進めた先にある真っ黒な外観の古民家が、今回、歴飯で紹介するラーメン店「ZUND-BAR(ズンドバー)」である。
「ZUND-BAR(ズンドバー)」は平成13(2001)年創業、国道246号線淡麗系ラーメンで有名な「AFURI」グループの総本店である。
年末の休日、昼どきを超えた時間帯だったが、店の前には入店を待つ多くの人がいて、その人気ぶりが伺える。整理券を発券して順番を待つ。
店の周囲を見渡すと、店の前には大山東麓付近を水源とする七沢川が流れており護岸の階段から降りることができるようになっている。周囲には畑の他に柑橘系の果樹園もあり、長閑な光景が広がっている。
しばらくすると順番が来て、店内に案内された。店内の席は、中央のカウンター席と外側にL字に並ぶテーブル席となっていて、今回はカウンター席に案内された。
メニューを見ると看板メニューの「柚ラーメン」などが並び、それぞれ「塩」・「醤油」、鶏油の量が変わる「淡麗」・「まろ味」、トッピングが選べるようになっている。その中から「柚ラーメン・醤油」と「餃子」を注文した。
改めて店内を見渡すと、内装材は全て黒く塗装され、ステンレスで統一された什器類が並んでいて、洗練されたバーのようにスタイリッシュな雰囲気にまとめられている。材の様子から戦前に遡るような古民家ではないと思われるが、壁、天井、2階の床などの多くが取り払われており往時の姿を理解するのは難しい。それでも良く見ると2階の床柱などが残されていて、想像を掻き立てさせられる。棟の一番高い場所付近に店名の由来でもある、ラーメン作りに欠かせない大きな鍋=寸胴鍋が置かれて、裸電球で演出照明されているのも、落ち着いた雰囲気作りに貢献している。
しばらくすると注文の品が運ばれ来たので、早速いただく。
「柚ラーメン」は、大山(通称:阿夫利山)の清らかな天然水を使ったスープは、柚の香りがふんわり漂い、「淡麗系」の名の通り、あっさりした、それでいて旨みが溢れていて、最後の一滴まで飲み干せる。
スープに良く絡む極細の麺は、全粒粉入りの自家製麺で、近くの自社工場で毎日仕込んでいるとのこと。オーダー毎にその都度炙ってご提供しているという炙りチャーシューの香ばしさが、口の中で広がった。
餃子はやや細身だが中にひき肉と野菜がしっかりと詰め込まれていてそのままでも美味しいが、柚子醤油だれをつけて食べると、また違った味に感じて飽きない。角切りのレンコンの食感が癖になる。
さっぱりしたラーメンは食べ進めるのが早く、味と香りを堪能しながらも、あっという間に食べ終えた。
会計の際、テイクアウトのソフトクリームを頼み、店を後にした。
店の近くには、江戸時代に開湯し今も6軒以上の温泉宿が営業している厚木の奥座敷「七沢温泉」がある。是非、温泉を楽しむ前後に立ち寄っていただきたい。
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