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heritagetimes

[歴飯_09]Chez Samantha(シェ・サマンサ) 【休業中】

更新日:2022年6月12日



鎌倉駅から江ノ島電鉄に乗り、長谷駅で降りる。観光客で賑わう長谷寺や高徳寺のある出口とは反対側の住宅地に入って行くと細い路地の入口に「Chez Samantha」の看板が掛けられている。路地を進むと左手にひっそり佇む古民家(昭和10年築)が見えてくる。外観からは想像しにくいが、大正末〜戦後初頭にかけて流行した和館に洋館が付いた「洋館付住宅(文化住宅)」と呼ばれる住宅タイプである。



中に入ると、左手前の洋間(かつては応接室か書斎?)と続き間の和室が客席である。洋間の天井は洋風建築や銭湯建築によく見られる格天井、窓の欄間には霜が降りたような結霜ガラスが嵌められている。店主の祖父が建てた家は、かつて鎌倉に松竹の撮影所があった頃には女優さんにも貸していたそうだ。和室には女優さんの写真や古道具が展示されている。昔は住みにくいと感じたそうだが、今は家族の思い出が詰った家をできる限り守りたいと、お店を始めたそうだ。



今回はスイーツの盛合せプレートを注文した。季節で変わる旬のフルーツを使ったパフェやケーキがお皿に並ぶ。初夏はマンゴーだった。店主の先祖はお醤油屋だったそうで、醤油を使ったスイーツも盛られていた。見た目も鮮やかで、果実が香るケーキやパフェを頬張りながら店主の話を聞いていると、気が付けば2時間が経っていた。帰りがけ、庭に目をやると薔薇のつるが伸びているのに気付いた。洋間から窓越しにみる薔薇は素敵だろうなと思いを馳せ、薔薇の季節の再訪を誓った。


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