横浜開港の地・象の鼻パークを囲むように並び建つスクラッチタイルの建物群の中に昭和4(1929)年竣工、鉄筋コンクリート3階建ての横浜貿易協会ビルがある。 横浜貿易協会ビルにはスカンディヤ、カンファーツリーと老舗が並ぶが、開港広場の交差点に面し、賑やかでポップな雰囲気を出しているのがペニーズダイナーである。 店内に入ると、そのポップな雰囲気はコカコーラカラーの赤を基調とした「古き良きアメリカ」がぎっしりと込めらられた内装でさらに実感される。「アメリカンスタイルを気軽に楽しめる」というコンセプトであるが、コカコーラのボトル、アメリカンムービーのポスター、ディズニーのピンバッチ、ジュークボックス、そしてウェイトレスのコスチュームからメイクに至るまで、その世界観の徹底ぶりは圧巻である。 アメリカンスタイルに誘われてコーラとジンジャエール、フレンチフライをオーダーした。 大きな窓の外には開港広場前の交差点を挟んでシルクセンター(昭和34(1959)年・坂倉準三)が見える。にこやかに大桟橋に向かう家族やカップルの表情も伺うことができて楽しい。
まずドリンクが運ばれてきて、ウェイトレスがアメリカンダイナーよろしく、目の前で缶の中身を氷の入ったクラシックなコカコーラのグラスに入れてくれる。ごろっとした大きめの氷と厚めのグラスが炭酸と良く、乾いた喉をすっきりと潤す。 続いて届いたフレンチフライは細身のポテトで、しっかりと塩・胡椒が効いている。もちろん揚げたてだ。味付けがしっかりしているのだが、あえてテーブル備え付けのハインツのケチャップとマスタードを加えてつまんでいく。ボリュームも十分。いかにもアメリカだ。 FENでも流れているかのような昔ながらのBGMでリズムを取りながら、店の奥のオープンキッチンから漂ってくる肉を焼く匂いをスパイスに、フレンチフライをたいらげて店を出る時、「次は是非ハンバーガーを食べてくださいね」と可愛くお願いされた。 以前、来店した時にハンバーガーをオーダーしたが、USビーフ100%のジューシーなパティとカリッと焼きあがったバンズの美味しいハンバーガーだった。初めての方には是非、ハンバーガーのセットを楽しんでいただきたい。
Comments